2014年10月11日土曜日

写真と絵について 私なりの考え

写真は事実を表し、絵画は情念を表す。

最近こんな言葉をよく思い浮かべる。

ひらめきなのかもしれないし、誰かが言ってた言葉なのかもしれないし、
それはどちらでも良いと思っている。

写真はリアルに、そして鮮明に、
人を惹き付ける。

仕事で宣伝物を制作していても、大体使うのは写真だ。
写真には何千文字分の情報量を一瞬で伝える力があるらしい。

イラストは上手い下手ももちろんあるが、大人の事情がものを言うのが
今直面している現実だ。
それに、出来上がるのを黙って待っててくれるほど、
現実は甘くない。
商品を伝えるなら、その為の道具として使うなら、
絵画より写真の方が、精度も早さも、全く比較にならない。

だから、何で絵を描く事に惹かれるのか、
迷い続けてきた。
はっきり言って、全然お金になるどころか、
お金が出て行くだけなのに、
それで何か新しいチャンスが広がっている訳でもないのに、
何でこんな事始めてしまったのか、
私は迷っていた。

でも、それが模写であれ、想像のものであれ、
そこに描き出される「想念」みたいなものが、
最近感じられる気がしている。

ある絵は、どうしようもなく絶望的な恋心を描いたりしている。
ある絵は、吐き気がするほどの権威主義に満ちている。

その人自身が、作者自身が描かれているわけではないけど、
その線に、その色に、そのトーンに、訴えるような何かを感じる時がある。

上手い下手はもちろんある。
下手さなら私も負けてない。
けど、その人が、私が、あなたが生きてきた証が、情念が、その一瞬が、
その紙に描き出される、それは絵が持つ最大の魅力ではないかと思う。

だから私は、描き続ける。
伝え続ける。

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